おおた先生のわくわくだより
更新日:2026年10月7日
ページ番号:66847807

おおた先生のプロフィール
太田 秀紀(おおた ひでき)
日本小児科学会認定小児科専門医
日本小児心身医学会認定医・指導医
子どもの心専門医機構認定 子どもの心専門医・指導医
【専門分野】神経発達症(発達障害)、心身症、重症心身障害
【趣味】音楽鑑賞(主にロック系)と演奏(バンド)
第52回 「 “療育”について再び考える」
先日、「こどもたちの未来のために。」
というシンポジウムにパネリストとして参加しました。
療育のこれまでとこれからについて様々な視点で話し合う企画で、
私自身も「療育」についてあらためて考える機会となりました。
本コラムでも第3.4.18回で療育について取り上げました。
「療育」という言葉は今では広く認知され、
障害や発達特性をもつ子どもにとっての重要性がよく知られるようになったと思います。
児童発達支援事業所や放課後デイサービスといった施設は近年増加傾向にあり
子どもや保護者にとって選択肢が増えました。
シンポジウムでは、「療育は専門職が導くものではあるが、普段の生活の場で生かされることが大切」とお話しました。
療育施設での経験がその場限りでなく、家庭や学校など子どもが普段過ごす場所でも生かされてほしいと思います。
そのためには親や保育士、教員など子どもを見守る大人一人ひとりが療育的な考え方や対応について関心を持ち、
取り入れていく姿勢をもってほしいと願っています。
「療育は難しい」「専門職でないとできない」と思われがちですが(確かに療育は奥が深く、
専門職の見立てやガイドは重要です)、私たち専門職は療育をなるべく身近に感じてもらい、
誰もが自分にできることを実践していただけるよう伝えていきます。
また、「療育は障害や特性の有無に関わらず(すべての子どもにとって)有効です」とお話しました。
保育所や学校など集団生活の場で、「療育は必要な子だけの特別対応」と認識されているかもしれません。
子どもの個々の特性やニーズに応じてオーダーメイドの療育があります。
しかし療育の考え方や内容は実はどの子にも応用でき、役に立つ支援にもなり得ます。
療育とは、とてもシンプルに言うと「安心と挑戦によって成長するための手立て」です。
ユニバーサルデザインやインクルーシブ教育の理念にも通じることですが、
療育は誰にとっても優しく、誰も取り残されない支援といえます。
シンポジウムには多くの方が来場され、市民の皆様の療育に対する関心の高さを感じました。
子どもに関わるすべての大人が自分にできる療育に取り組むことで、
「療育的な街=優しい街、西宮」になると素敵だと思います。
